インフルエンサーマーケティングとステマって同じじゃないの?【PR】

西村創一朗
NOW OR NEVER
Published in
11 min readMar 21, 2017

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2017年3月22日(水)に発売される乃木坂46の17thシングルのタイトルにもなっている「インフルエンサー」。「インフルエンサー」といえば、芸能人や有名人といった影響力を持った人のことを指しますよね。そうした「インフルエンサー」の力を借りて商品やサービスを宣伝する「インフルエンサーマーケティング」は今、「2017年の一大トレンドになる」として各社のマーケティング担当者から熱視線を集めています。

一方で気になるのが「ステマと何が違うの?」というところ。

「ステマ」とは、「ステルスマーケティング」の略で、企業から報酬を受け取っているにも関わらず、宣伝行為であることを隠して良い口コミや良い評価を行う行為のことを指し、ステマが明るみになったことで、多くの企業が信用を失墜させてしまいました。

「インフルエンサーマーケティング」が効果的なマーケティング手法として注目を集めている今だからこそ、「ステマ」をしっかり抑えた上で取り組みたいところです。

「インフルエンサーマーケティングとステマって同じじゃないの?」という率直な疑問を、インスタグラム対応のSNSモニタリングツール「Tofu Analytics」や、インフルエンサーマーケティング支援ツール「Tofu Experience」を提供している株式会社misosil(ミソシル)の兼城氏(CEO)と土田氏(COO)のお二人にぶつけてみました。

インフルエンサーマーケティングとステマって何が違うの?

ーー昨年、ピコ太郎の「PPAP」がジャスティン・ビーバーのツイートがきっかけで世界的にブレイクしたことからもわかるように、マーケティング活動において、インフルエンサーを巻き込むことが以前にも増して重要になってきていることは誰もが肌で感じているはずです。ただ、正直「インフルエンサーマーケティングとステマって何が違うの?」という疑問を持っている人も多いのが現状です。

株式会社misosil(ミソシル)代表取締役社長(CEO)の兼城 駿一郎氏。沖縄高専専攻科卒。在学中にプログラミングコンテストとビジネスコンテストで日本2位を獲得。 リクルートへ新卒入社後、開発組織の立ち上げやサービス買収、事業戦略を担当。

兼城氏:

インフルエンサーマーケティングとステルスマーケティング、いわゆるステマとの違いは、本来的にはすごくシンプルなんです。

報酬を受け取っているにもかかわらず、それを隠してブログやSNS、YouTubeなどで、『とっても美味しいのでオススメです!』などと、広告宣伝であることを隠して特定の商品についてPRする行為は、完全なるステマですが、ブログやメディアの記事で、きちんと「PR」や「記事広告」といった形で「広告宣伝であること」が分かりやすく明記されていればステマにはあたりません。

また、インフルエンサーであろうとなかろうと、本人が実際に使ってみて「これは美味しい!フォロワーさんに勧めたい!」と心から思ったものをInstagramやTwitterやブログなどで紹介することも、当然ながらステマにはあたりません。

「広告宣伝であることを隠しているか」という点と「インフルエンサーを活用しているか」という点は分けて考えることが重要です。

Instagramに投稿するときは #PR を付ければ問題なし?

ーー「アノ人が本音でオススメしてる商品なら間違いない!」という期待・ブランドを有効活用したマーケティング手法がインフルエンサーマーケティング。そしてダークサイドに堕ちて、宣伝であることを隠してしまうとステマになってしまう、と。

兼城氏:

その通りです。だからこそ、ブログやWebメディアにおいて、報酬をもらって記事を書く場合は「PR」「記事広告」などと「広告であることが明確にわかる表記」をすることが、ネイティブ広告のガイドラインで定められています。

ところが、InstagramやTwitterなどSNSの場合はもう少し話がややこしくなります。

報酬をもらってInstagramに投稿する場合は「#PR」というハッシュタグをつければ問題なし、といったような投稿を多く見かけましたが、これでは不十分だと思っています。

Instagramに投稿する際は、複数のハッシュタグをつけることが通常で、10〜20以上のハッシュタグを付けて投稿するインスタグラマーも少なくありません。多くのハッシュタグが並ぶ中、「#PR」と表記されていても、恐らくほとんどのフォロワーは気づかないでしょう。これでは「広告であることが明確にわかる表記」とは言えません。

本当のインフルエンサーマーケティングは、投稿を強制しない。

ーーハッシュタグによるPR表記では不十分、となるとInstagramを活用してインフルエンサーマーケティングを行いたい広告主や代理店側はどうすれば良いのでしょうか?

兼城氏:

「金銭を提供したり、投稿を強制したりせずに、インフルエンサーに商品・サービスの魅力を伝えることに撤する」ことに尽きると思います。

そもそも、インフルエンサーマーケティングの本来的な意味合いは、Instagramに投稿してもらうことではなく、「商品・サービスがターゲットとしているセグメントやコミュニティにおいて影響力を持った人物に直接アプローチすること」を指します。

なので、シンプルに

①インフルエンサーに「刺さる」商品・サービス・キャンペーンをつくる

②商品・サービスを広める上で適切なインフルエンサーを見つける

③適切にインフルエンサーに商品を届け、使ってもらう

この3つをきちんと丁寧にやりきれば、金銭的な報酬がなくても、SNSでの投稿を強制しなくても、『この商品めっちゃ良かった!オススメ!』とごく自然な形で広めてくれるはずです。

インフルエンサー=有名人とは限らない。

ーーつくる、見つける、届けるの3ステップで、SNSへの投稿はあくまで任意、ということであれば、ステマにはならず純粋なインフルエンサーマーケティングと呼べるわけですね!具体的には、どういった形でインフルエンサーマーケティングを行えば良いのでしょうか。

土田氏:

「刺さる商品・サービスをつくる」ところまでは、自社の企業努力で出来ても、次の「適切なインフルエンサーを見つける」のステップで多くの企業が躓いてしまいます。

私自身、新卒でP&Gという世界でも先進的なマーケティングに取り組む会社でブランドのPRを担当していた際、海外での流行に乗って日本でもインフルエンサーマーケティングに取り組んだのですが、適切なインフルエンサーを見つけるのは非常に難しく、上手くいったのかの検証にも多くの課題を感じました。

TVCMなどのマス広告との最大の違いは、必ずしもインフルエンサー=有名人・芸能人とは限らないということです。ターゲットとズレていたり、商品やサービスを心から勧めたいと思えていなければ、何百万人のフォロワーがいても全く効果が出ないこともあります。

逆に言えば、例えフォロワーが数百〜数千人だろうと、適切なインフルエンサーを見つけ、心からの共感でもって商品・サービスに「いいね!」と拡散してもらえれば、想定以上の効果を発揮できるのです。そうしたインフルエンサーのことを「マイクロインフルエンサー」と呼んでいます。

また、いわゆるバラマキ型の「サンプリング」とも異なります。仮に1000人に対してサンプリングを行なったとしても、その中に「適切なインフルエンサー」が一人もいなければ、商品が広がることはなく「ムダ」に終わってしまいます。

最適なインフルエンサーに、商品の魅力を届ける。

そうしたムダをできる限り無くして「適切なインフルエンサーを見つけ、商品・サービスを届ける」プロセスを支援するのが当社が開発したTofu Experienceです。

まずはインフルエンサーに届けたい商品・サービスの案件をTofu Experience上で掲載し、応募を募ります。次に応募があった中から、特にマッチング度合いの高いインフルエンサーに「サンプリング」や「お試し」という形で商品やサービスをお届けします。その後、友人やフォロワーに商品を勧めたいと思ったかどうか、勧めたい/勧めたくない理由をインフルエンサーにヒアリングすることはありますが、SNSなどへの投稿は「完全に任意」です。

「完全に任意」でも、適切なインフルエンサー選びが出来ていて、シェアしたくなるような仕掛けづくりが出来ていれば、高い確率でシェア・拡散されていきます。

「マーケティング格差」を無くし、本当に良い商品を世に広めたい。

ーー今年に入ってから、吉本興業がインフルエンサーマーケティング事業の開始を発表するなど、多くのインフルエンサーマーケティング支援サービスがありますが、他社サービスとの最大の違いは何でしょうか?

兼城氏:

Tofu Experience最大の特徴は「圧倒的低コストではじめられる」点にあると思っています。基本利用料や案件掲載費は無料で、インフルエンサーへの連絡やモニタリングなどの手数料として、1人あたり最低5000円からモニター・サンプリングを行えるモデルになっています。

ステマと明確に区別するために、インフルエンサーへの金銭的な報酬は発生しません。また、効果測定も合わせて行えるため、まずは小さくはじめて、費用対効果が高いと判断できてから投資額を増やす、と言った運用が可能になります。

インフルエンサー=有名人、インフルエンサーマーケティング=高コストというイメージがまだまだ強いせいか、TVCMを出稿しているような大手企業の一部を除き、インフルエンサーマーケティングにチャレンジしている企業は少ないのが現状です。

大手企業や知名度の高いブランドはもちろん、「商品やサービスは魅力的なのに、まだ魅力が伝わっていない商品・サービス」こそ、インフルエンサーの力を上手に借りて、商品やサービスの魅力を広めていってほしいと考えています。

イニシャルコストを最大限下げることで、あらゆる企業がインフルエンサーマーケティングを上手に活用できるようになれば、本当の意味で生活者にとって魅力的な商品・サービスがどんどんマーケットに浸透していくはずです。

そうして「マーケティング格差」をなくすことで、より良いモノをより多くの人に広めることが、Tofu Experienceが目指す世界観です。

インフルエンサーマーケティングは誰のものか?

株式会社misosilの兼城氏、土田氏へのインタビューを通じて、ステマとの違いやインフルエンサーマーケティング成功のポイントを探りました。

まとめると、ステマとは異なり、金銭的な報酬ではなく、上質な体験を提供し、投稿は強制しない「インフルエンサーマーケティング」では、

①インフルエンサーに「刺さる」商品・サービス・キャンペーンをつくる

②商品・サービスを広める上で適切なインフルエンサーを見つける

③適切にインフルエンサーに商品を届け、使ってもらう

の3つがポイントになること。

さらにTofu Experienceを活用すれば、上記3つのポイントを満たすインフルエンサーマーケティングに、初期費用・案件掲載費無料で取り組めることが分かりました。予算が少なくともはじめられる料金体系になっているので、「インフルエンサーマーケティング」はもはや大企業・有名ブランドだけのものではありません。

今後、同様の「低コスト・高パフォーマンス」をウリにしたインフルエンサーマーケティング支援サービスが出てくる可能性はありますが、少しでも興味がある方は、まずはTofu Experienceでスモールスタートするところからはじめてみても良いかもしれません。

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Photo by @kobochapon

Interview&Writing 西村創一朗

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HRマーケター/複業研究家。30歳@三児の父。2015年6月、リクルートキャリア在籍中に「二兎を追って二兎を得られる世の中をつくる」というビジョンを掲げ、株式会社HARESを設立し、代表取締役社長を務める。NPO法人ファザーリングジャパン理事