起業と大学中退の因果関係はあるようでないんだと思う。

西村創一朗
NOW OR NEVER
Published in
5 min readSep 28, 2016

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BookLabTokyoにて。

今週月曜日の朝、渋谷にあるブックカフェ、BookLabTokyoで「大学を4ヶ月で中退して起業します」の石田さんとお会いしてインタビューをしてきました。

はじめてリアルでお会いする石田さんはとても素直で、マジメで、実直で、爽やかな好青年でした。

ブログでは書かれていなかった、

  • なぜ起業したいと思ったのか?
  • 起業してどんなことを実現したいのか?

といった点を中心にインタビューしましたが、まだ若干のたどたどしさの残る語り口ではありつつも、きちんと自分の言葉で語り切る聡明さに驚きました。果たして、9年前の自分は同じようにふるまえただろうか?と。

既に中退した人に「中退するなんて」と言っても意味がない。

「せっかく入った大学をたった4ヶ月で中退するなんてもったいない」

と皆さん思われたことでしょう。僕も同じことを思いました。

他ならぬ僕自身が大学一年の頃、9年前のちょうど今頃に奥さんとの間に子どもがいることがわかった時、大学を中退して働くことを本気で考えていたのですが、大学を中退して働くことと、大学四年間しっかり学んで就職することとどっちが家族にとって良いか?と考えた時に、後者の方が「賢明な判断」だと考え、義父母にサポート頂く形で中退しない道を選びました。

だからもし僕が「中退を決断する前の石田さん」にお会いしていたら、もしかしたら「起業はいつでもできるし、学業と両立だってできる。仮に中退するにしても、事業が軌道に乗ってからでもいいんじゃない?」と伝えたと思います。

ただ、僕がお会いした時点では、ブログが話題になった時点では既に彼は大学を辞めて起業への道を踏み出していました。

そんな彼に対して「なんで起業したの?大学中退なんてもったいない!」という話をしたところで何の意味もないですよね。そんなアドバイスはおっさんの自己満足です。

であれば出来ることは、

  • どうしたら良質な失敗経験を積み、成功に近づけるのか?
  • どうしたらめげずに「勝つまでやり続ける」ことができるのか?

を伝えたり、シンプルに応援することしかありません。だから僕は100%応援するスタイルを貫きました。

きっと石田さんは、起業しなくても中退していた。

彼のブログやインタビューを通じて確信したことは、

起業は大学中退の真因ではない。

ということ。

大学中退の真因はシンプルに大学生活も授業も、すべてが退屈で無意味に思えてしまったこと。こんな環境であと3年半もやっていくのか…と考えると居ても立っても居られなかったのでしょう。

起業はあくまで大学中退のための手段であって原因ではなかったのだと思っています。

あまりにも野暮なことなんで、問い質すようなことはしていませんが、きっと。

同じ理由で大学を中退してしまう若者が後を絶たず、大学中退後はニート引きこもりになる人が多い中、起業で大学中退なんて立派じゃないですか。

学びの必要性を感じたら、また学び直せばいい。

インタビューの中で僕が石田さんにお伝えしたことの中で、記事には書かなかったことがあります。

それは、

君は近い将来、絶対大学に行きなおしていると思う。

と。

会社に合う合わないがあるように、大学も合う合わないがあります。きっと、彼の大学は、起業家精神旺盛な彼とは相容れないカルチャーが蔓延していたのでしょう。でも、彼の価値観に合う大学は必ずあります。例えば、慶應SFCとか。

大学は本来、高校を卒業した人が通う学校ではありません。年齢制限なんて本来ないんですから。海外の大学に留学したことのある方はご存知の通り、日本とは違い、30代、40代のおじさん、おばさんがゴロゴロいます。

そう。大学なんて、本当に学びたいと思ったタイミングでまた入り直せば良いんです。

それはさておき、彼の今後が本当に楽しみです。たくさん失敗経験を積んで、仲間たちとたくさん泣いて笑って、成功を掴んで欲しいなと思います。

彼らの世代に負けずにぼくらも頑張らなきゃね。他人のお節介を焼く前に、まずは自分から、ですな。

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HRマーケター/複業研究家。30歳@三児の父。2015年6月、リクルートキャリア在籍中に「二兎を追って二兎を得られる世の中をつくる」というビジョンを掲げ、株式会社HARESを設立し、代表取締役社長を務める。NPO法人ファザーリングジャパン理事