最強の競合優位性は「組織文化」そのものである。

西村創一朗
NOW OR NEVER
Published in
4 min readMay 26, 2016

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「ローマは一日にして成らず」とはよく言ったもので、ローマがローマたる所以は、その脈々と受け継がれてきた文化にあります。

企業経営においてもそれは同じで、優れたイノベーションを起こし続けることのできる企業は必ずと言って良いほど優れた文化を独自に形成しています。

メルカリの新メディア「mercan」はメルカリにしかできないこと。

本日、ベンチャー界隈がIVSで盛り上がる中、ベンチャーの中心にいる「和製ユニコーン」のメルカリからリリースされた新メディア「mercan」が話題になりました。

たちまち、THE BRIDGEにもインタビューされていましたね。

「mercan」誕生の背景を、取締役の小泉さんは次のように語っています。

メルカリでは勉強会やイベントを開催したり、個人で書籍を書いたりそれぞれアウトプットしてるんですよね。でもそれがバラバラになっていて勿体なかったので、一つにまとめてメディアにしようと」(小泉氏)。

これ、サラッと話されてますけど、社員の方々が誰に頼まれるでもなく、自発的にアウトプットをしているって、めちゃくちゃスゴいことなんですよね。

オウンドメディアを立ち上げるだけなら、正直どの会社でも、誰でもできます。うちの会社でも3月にオウンドメディアを立ち上げました。

でも、本質はそこじゃない。

人事や採用、広報が役割からコンテンツを生み出すのではなく、社員一人ひとりが内発的動機に基づいて自らコンテンツを発信している状態。

どちらが「より面白い」コンテンツが生み出され、どちらが共感を呼び、どちらが会社のファンをつくるかは自明ですよね。

「じゃあ、自社ブログ(オウンドメディア)で、社員に書いてもらえばいいじゃん」という声も聞こえてきそうですが、「やらされ仕事」はなかなか続きません。

(そうして挫折していった企業ブログが多数あります…)

つまり、「社員が自発的にアウトプットする」ということはメルカリ特有の「優れた組織文化」であり、そうした組織文化がまた優秀なタレントを惹きつけ、組織力をどんどん高めているのでしょう。

この「組織文化」ばかりは、どんなに頑張っても一朝一夕では作れないもの。これこそが企業経営における「圧倒的競合優位性」だなぁと。

自発的に発信する組織文化はどうやってできるのか?

メルカリの「組織文化」がどうやって形成されたのか?についてはここで詳細を語ることは避けますが、自発的に発信する組織文化は恐らく「副業推奨」に関連があるでしょう。

メルカリ採用サイトより

「これからのビジネスは個のエンパワーメントにかけろ」とはKAIZEN Platform須藤さんの言葉ですが、まさにメルカリは個のエンパワーメントに徹底して取り組まれているなぁと。本当にすごい。

#メルカリでしかできないことをやろう

とは、メルカリHRの石黒さんがよく発信されているフレーズですが、まさにこれは「メルカリでしかできないこと」だなぁと。

メルカリのような組織文化をゼロから作るにはどうしたら良いのか、最近の最大の関心事の一つです。

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HRマーケター/複業研究家。30歳@三児の父。2015年6月、リクルートキャリア在籍中に「二兎を追って二兎を得られる世の中をつくる」というビジョンを掲げ、株式会社HARESを設立し、代表取締役社長を務める。NPO法人ファザーリングジャパン理事