人事よ、発信せよ。HR Meetup Tokyo Vol.3にみるアウトプットの大切さ。
今日は仕事終わりにメルカリ石黒さんをはじめHR界隈のインフルエンサーの方が主宰する「HR Meetup Tokyo vol.3」なるイベントにブロガー枠兼人事枠として参加し、LTでもお話させて頂きましたので、その備忘録をまとめます。
HR Meetup Tokyoとは?
HR Meetup Tokyoとは、その名の通りHR=人事・採用関係者が一堂に会するイベントなのですが、いわゆる勉強会や異業種交流会と異なるのが「参加者全員がLT必須」(ブロガー枠の参加者除く)という点です。
LT=Lightning Talkの略で、文字通り稲妻のような速さ(わずか3分!)で自己紹介からノウハウ・Tipsまでプレゼンする必要があるのですが、これが素晴らしいんです。
一方的に学ぶだけ、というスタンスでの参加は許されず、自分も学びを提供する側にならなければなりません。
この参加要件が参加者へのハードルを上げてる面もありますが、それ以上にイベントの熱量を極限まで高めてくれるので、結果的に参加者が得られる学びも最大化するのですよね。
過去のレポートは以下にとても素晴らしくまとまってるのでぜひご覧下さい。
まずは乾杯!からスタート
いきなり堅苦しくはじめるのではなく、まずは乾杯から。
百戦錬磨のMeetupキング、メルカリさん流ですね。
アルコールを交えて、ほどよく場があったまったところでいよいよ本題へ。
安定のメルカリTシャツ。石黒さんの定番ファッションですね。パーカーにTシャツに、メルカリさんにいたら服代がかからなさそうですね!
人事・採用担当者がもっともっと発信できる機会を。
石黒さんがMeetupをはじめた動機は至ってシンプル。
Web上で情報が溢れかえってる今だからこそ、「現場での実行」まで落とし込んだ、苦悩の果てに人事・採用担当者自身が生み出したコツやノウハウにこそ価値がある。
にも関わらず、その価値を社内でも自分自身でも理解しきれずに内に秘めている方が多く、非常にもったいないことになっているわけです。
日頃何気なくやっている日々の工夫や行動が、他の人事にとってはものすごく有益なノウハウになったりする。だったらそれをみんなで共有し合おうよ、という試みの場がHR Meetupなんですね。
グローバルで活躍するSuper人材を呼ぶ4STEP
トップバッターはDeNA Singaporeで海外採用を担当された後、2016年よりソフトバンクに入社された下村さん。
「グローバル採用とは、世界中からSuperな人材を呼ぶこと」という定義をした上で、そうしたSuperな人材を呼ぶためのTipsとして、次の4STEPを上げられていました。
すなわち、
- Input
- Output
- Give
- Then,Take
だと。
Then,Takeってカッコいいですね。僕も今度から使ってみたいと思います。
Superな人材と同じ目線を獲得できるまでまずはInputする。
その上でSNSやブログでOutputをする。
さらに、そこから生まれたご縁ある人に対して情報や人脈をGiveする。
すると、自ずとTake=Superな人材の採用が実現できると。
馬を見ていてはダメだ。馬の見る方向を見なさい。
というとある競馬マンガの名言を引用されていたことが印象的でした。
オファーレター、ちゃんと書いてますか?
続いてはメルカリの石黒さん。
メルカリでは名著「WORK RULES」に書いてあることをすべて試してみよう、という心意気で徹底的にチャレンジされているのだそう。
その中で実践されたことの一つが、「オファーレターをちゃんと書く」ということ。
オファーレターは、内定を通知する際に送るお手紙=メールのことですが、ほとんどの企業ではテンプレのように機械的に送られていると思います。メルカリでも以前はそうだったようです。
『ワークルールズ』を読んで実践したことは以下の2つ。
- Why?を伝える文面にする
- 喜んでもらえそうな人から伝える
その結果、メルカリの内定承諾率は90%超という驚異の数値を叩き出しているそうです。驚愕。
エージェントさんのグリップ力を高めて辞退防止!
HR MeetupでのLTは2度目となるZUU山上さんの今回のテーマは「エージェント経由の候補者の辞退防止」。ニッチですが、採用担当の方なら皆さん頭を抱えるテーマの一つ。
直接ハンドリングできるダイレクトリクルーティングとは異なり、エージェント経由の候補者については全くグリップ=候補者の選考状況や転職意向の把握、信頼関係の構築が出来ておらず辞退が相次ぎ頭を抱えていた山上さんが試みたのが「エージェント会社毎だけでなく、キャリアアドバイザー毎にグリップ力を見える化し、採用熱が高いのにグリップ力に懸念があるエージェントは徹底的にフォローする」という作戦でした。
具体的には、次の三点が把握できているかどうか?によってグリップ力をSランク〜没の6段階に分けてマッピングし、一定ランク以上のキャリアアドバイザーさん経由の方は徹底フォローしたのだそう。
- 応募先企業
- 転職軸
- 選考スケジュール
このグリップ力のマッピングに基づくフォロー強化により、選考途中の辞退は4件から0件に減らせたそうです。素晴らしい!
青田さんの完全オフレコトーク
Schooでも採用講義をされた日本の人事部青田さんのLTは「Schooでは話せなかった〇〇な話」ということで完全オフレコトークでした。面白かったー!笑
リファラル採用の原理原則
続いて僕のLT。限られた時間でしたので、お伝えしたことはたった一つ。「リファラル採用の原理原則」のお話です。
要点をまとめると、
- リファラル採用は、社員の方に大切な友人を紹介してもらうこと
- 紹介したい!という気持ち(エンゲージメント)がない限り絶対うまくいかない。
- まずはエンゲージメントを可視化するところからはじめよう
というお話でした。
自社オリジナルのデータベースをつくろう
続いてはエイラシステムズの原田さん。グローバル人事塾の運営をされていて、僕も以前グローバル人事塾のイベントでご一緒させて頂きました。
原田さんが活用されているのが、自社オリジナルのデータベース。今風に言えば「タレントプール」というやつですね。
具体的には、
- 内定辞退になった方
- 合格レベルだがタイミング合わずお見送りとなった方
- 不合格だったがポテンシャルを見込める方
- 退職者
を自社データベースに蓄積し、リマインダ機能を活用して定期的にコンタクトをとったり、自社イベントに呼んだりして、タイミングが合致したタイミングで「うちに来ない?」と改めて声をかけるのだそう。
結果的に、全採用の10%という少なくない人数を自社データベース経由で採用されているそうです。素晴らしいですね。
消費者マーケティングに学べ!
続いてはマッキンゼーを経て、南社長自らのダイレクトリクルーティングを受けビズリーチにジョインされた執行役員の関さん。現在絶賛開催中のHR Techに去年参加された際の感想などを交えつつ、HR Techトレンドについてお話下さいました。
「採用マーケティング」という観点で言えば学ぶべきは消費者マーケティング。
時間の関係上、さわりのみのご紹介でしたが、メルカリさんをはじめ採用がうまくいっている会社はもれなくここを上手にやられてるなぁと思ってます。ぜひまた別の機会にゆっくりお話をお聞きしたいです。
エージェント数爆増に活用したソリューションとは?
続いては会場を提供下さったソフトバンクの林さん。
林さんはソフトバンクショップの店頭スタッフの採用をやられているそうで、採用人数が年々増加する中、採用成功のためにとった手段が「取引エージェント数を爆発的に増やす」ことでした。
とはいえリソースも限られている中活用したソリューションがエクスオード社が提供するエージェントマネジメントサービス。全国25000社の人材紹介免許を持つエージェントさんとのネットワークを活用し、間に立って紹介促進をして下さるサービス。
これにより採用決定数を伸ばすことができたそうです。
また、主要パートナーであるエージェントの協力を最大限得るために、以下のようなことを意識して実行されていたようです。
- 言ったらやる
- ぜんぶオープン
- お互いに信頼
- ノリが良いと思ってもらう
- チャネル・会社よりも関係者
実際、信頼関係のあるエージェントさんからの提案はほぼすべて実行されていたそうです。そこまでされると、粋に感じて頑張っちゃいますよね。さすがです。
社長か一次面接?!逆フロー採用のススメ
トリを務めるのはサイバーバズ人事部長の小河原さん。
トップセミナー→現場マネージャーによる一次面接→最終面接というオーソドックスなフローを以下のように逆転させたのだとか。
- トップセミナーで社長が講演
- その後社長がグループ面接
- 合格者のみマネージャーによる最終面接
その結果、社長の工数はほとんど変わらないにも関わらず、一次面接から社長が出てくる!ということで採用へのコミットが学生に伝わり、「採りたい人材」を動機づけ出来たのが最大のメリットだったのだそう。
ただ、あくまでこれは10人程度の採用規模だからできることで、100人以上の大量採用への適用は難しいこと、最終面接官がマネージャーになるため、誰が最終面接を担当するか?によって内定承諾率が大きく変わるという課題もあるとのことで、次年度はそこが進化ポイントになりそうです。
アウトプットする機会を自ら作り、自分の仕事を「再編集」しよう
HR Meetupにはじめて参加してみて思ったことは「アウトプットをする機会をつくると、スループットが最大化する」ということです。
もちろん、誰かのアウトプットを聞くことで新たな学びを得られること、自分のアウトプットで他の誰かの役に立てること、というのがHR Meetup最大の価値ですが、その価値を最大化する上でも「アウトプットする機会を自らに課す」のは大切です。
日々何気なくやっている業務も、3分で良いので発表する機会を与えられることによって、業務の本質や自分がこだわっていること、工夫していることが客観的に浮き彫りになり、思考が整理されますよね。
この過程を僕はインプットとアウトプットの中間的な役割として「スループット」あるいは「再編集」と呼んでいるのですが、これはアウトプットする機会があることによって最大化できるなぁと思いました。
ぜひ皆さんも次回のHR Meetup Tokyoへの参加はもちろんですが、ブログでもFacebookでも何でも良いのでぜひアウトプットする機会を自ら作ってみて下さいね!
僕からは以上です。他のブロガーさんのエントリーも楽しみにしています!
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