読書には、戦略が必要だ。「戦略読書」を実現する3つの方法。

   

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「年末年始は、読み溜めてた本を読もう!」と読書に耽る方も少なくないでしょう。

僕自身もその例外ではなく、積ん読していた本がたくさんあるのですが、「今年中に絶対に読もう!」と決めていた本がありました。

それがベストセラー「ビジネスモデル全史」の著者三谷宏治さんの新刊『戦略読書』です。

「私たちは読んだ本でできている」からこそ読書には戦略が必要だ!

“You are what you eat.”
と、健康・オーガニックの世界では言われたりしますが、こと人の「思考」については、
“You are what you read.”
つまり、どんな本をどう読んでいるかによって、その人のモノの考え方が創られていくのだと。

つまり、「周囲と同じ本」ばかり読んでいては、ありきたりの発想しかできない、ありきたりな思考になってしまうのです。

ビジネスパーソンとして、ビジネス界で生き残っていくには、他者との差別化が必要です。

だからこそ、他者との差別化を図るために「読書には戦略が必要」なのです。

では、「戦略読書」とは一体何なのか。
三谷さんが提唱する「戦略読書」の中でも、特に以下の3つの概念はとても参考になったので、それぞれご紹介しましょう。

  1. 読書ポートフォリオマトリクス(RPM)
  2. セグメント別ワリキリ読書術
  3. 発見型読書法

読書ポートフォリオマトリクス(RPM)で資源を最適化せよ

中でも最も秀逸なのが、この読書ポートフォリオマトリクスです。
競争戦略やマーケティングなどをかじったことのある方ならご存知の「製品ポートフォリオマトリクス」(PPM)をもじったもので、ビジネス系⇔非ビジネス系、基礎⇔応用・新奇の2×2のマトリクスにより、自分自身の読書計画を立てます。 

 

①ビジネス基礎:徹底攻略

②ビジネス応用:ファクト集中

③非ビジネス基礎:楽しく雑学

④非ビジネス新奇:流行チェック

以上の4つです。

①〜④のリソース配分は、社会人としてのステージによって異なります。

内定者〜新人時代はとにかく「ビジネスパーソンとしての土台固め」に専念し、①のビジネス基礎を10冊、②のビジネス応用を90冊読むことを勧めています。

そうしてビジネスパーソンとしての土台固めが完了し、社会人2年目になったらビジネス・非ビジネスの割合を50:50にシフトさせ、①ビジネス基礎は追加で3冊、②ビジネス応用を47冊、③非ビジネス基礎を50冊読みましょう、と提案しています。

そうして、社会人としてのステージに合わせて、概ね以下の通りに読書ポートフォリオをシフトさせていきましょう、というのが三谷さんのRPMPM理論です。  三谷さんのRPM理論を読んで、とてもハッとさせられたことが一つありました。

それは「自分の読書がいかに②ビジネス応用、④非ビジネス新奇に偏っていたか」に気づいたことでした。

ベストセラーや話題になった本ばかりを片っ端から読み、それらを理解する上での「リテラシー」となる基礎固めを全然してなかったのです。

三谷さん曰く、①ビジネス基礎で大切なのは「テーマごとに1〜2冊で良いので、古典的大著とにかくじっくり読むことだ」と。

そう、学生時代は学問としてな学んでいたこともあり、古典にも多く触れていたのですが、社会人になってからはすっかり遠ざかっており、その場その場でのトレンドに流される「行き当たりばったりの思考法」になってしまっていました。これではダメです。

ということで、2016年は「月に一冊。年に10〜12冊、ビジネス基礎となる古典的大著を読む」ことに決めました。よし。

HRマンであるぼくは、取り急ぎ人事の古典的名著『組織は戦略に従う』を買いました。 

 

セグメント別ワリキリ読書術をマスターしよう

「戦略読書」が非常に素晴らしいのは、こうした概念的な話(フレームワーク)で終わらせず、具体的な実践パターンにまで落とし込んでくれるところ。

上記の①〜④に応じた読書パターンが存在することを教えてくれます。

まずは①ビジネス基礎。

これは少し先にも触れましたが、各分野で1〜2冊で良いので古典的名著を数時間かけて「熟読玩味」することを勧めています。

事業戦略であればポーターの『競争の戦略』、マーケティングであればコトラーの『マーケティング・マネジメント』といった具合です。

続いて②ビジネス応用。

とにかく熟読していた①とは異なり、②ではとにかく粗読み、斜め読みで「ファクト集め」にフォーカスすることを勧めています。

中でも「究極の割り切り斜め読み法」として三谷さんがご紹介するのが「序章と図だけ読む」というアプローチです。

海外を中心に、ビジネス書の多くは「序章」でその本の伝えたいエッセンスが凝縮されているケースが要約されていたり、ダイジなことは本文中で必ず図や表になっているはず、とのこと。確かに、言われてみると仰る通りの構成になっている本は多いです。

これを駆使すれば、どんなに分厚いビジネス書でも30分で読み切れるようになるそう。これは良いですね。気になったところについては、関連するチャプターを熟読しつつ、関連書籍やサイトについても調べ上げる、という読書法も有効そう。

③非ビジネス系基礎
④非ビジネス系新奇
についても基本的には「斜め読み」のスタンスで読み進め、掘り下げたい、気になるテーマがあったら調べる、というアプローチがオススメだそう。

生産性が5倍に?!5つの発見型読書法

そもそも、読書は何のためにするのか?といえば、それは仕事においてアウトプットを最大化するためです。

なので、「本を100冊読みました!」(パチパチ)ということそのものには何の意味もなく、本一冊一冊から何を学び、どう活かすか?という問いに真摯に向き合う姿勢こそが「戦略読書」なのでしょう。

じゃあ具体的にどう読んだらいいの?という声に応えて生まれたのが、以下の「5つの視点」です。

対比:過去と他業界と「対比」して大局観
反常識:これまでの当たり前を崩した「反常識」を見つける
数字:徹底的に数字にこだわる
一段深く:人より「一段深く」まで調べる
抽象化:得たものはちょっと「抽象化」して考える・覚える

この5つを意識しながらマーカーで線を引いたり、付箋を貼ったり、メモを書いていくことによって、他者とは違う「読め方」ができるはず。そう三谷さんは仰います。

まとめ

・まずは自分なりに「読書ポートフォリオ」を作ってみよう。「基礎が足りてないな」と思う人は、プライドを捨てて「第1期(社会人1年目)」型ののポートフォリオで基礎を築こう。(ぼくはそうしました)

・セグメントに合わせて、基礎を固める古典はじっくり熟読玩味、応用の流行本は序章と図だけ読むワリキリ読書で生産性を上げよう。

・対比、反常識、数字、一段深く、抽象化の5つの視点でさらに「読め方」を磨こう。

「2016年こそ、もっと本を読んで、知的生産性の高めるぞ!」と意気込んでいる方は、まずは『戦略読書』を読んで、「読書ポートフォリオ」を組み立てることからはじめてみては?

また、実験的な試みとして『戦略読書』に取り組む人同士で読書ポートフォリオや、オススメ本をシェアしあうコミュニティ『戦略読書の会(Strategic Reading Community)』を立ち上げてみました。

ご興味のある方は気軽にリクエスト下さいね。
それでは、良いお年をお迎え下さい!

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西村 創一朗
1988年生まれの27歳。小学校1年生の長男と4歳の次男、0歳の長女の三児の父。大手人材総合会社で採用担当・新規事業企画を兼務する傍ら「父親であることを楽しもう」をモットーに活動するNPO法人ファザーリングジャパンにて最年少理事を務める。大学一年時に高校生の頃から付き合っていた彼女と結婚し、19歳で父親になる。プライベートブログ「Now or Never」は月間30万PVを超える。ニュースキュレーションアプリNewsPicksでも精力的に発信を続け、フォロワーは45,000人に迫る。

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